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今回は、少しトリッキーな電気回路の問題を扱います。
A と B の 2 点間に、左右対称に 2Ω+2Ω の直列抵抗が並列につながっており、さらにその左右の中間を 5Ω の抵抗が橋渡しするように接続されています。
一見すると、この 真ん中の 5Ω の存在が計算を難しくしているように見えます。
しかし実は、この 5Ω は“無視してよい”場合があります。 なぜそんなことが起こるのか、順を追って説明します。

見た目は複雑ですが、左右が完全に対称である点が重要です。

「5Ω があると難しいので、いったん無視してみる」という発想です。
実際、この問題の答えは 2Ω なので、この考え方は正しいことになります。
では、なぜ 5Ω を無視してもよいのでしょうか。

理解のポイントは 5Ω の両端の電位が同じになるという点です。
説明のために、A–B 間に 4V の電源をつないだと仮定します。
さらに、5Ω を一度取り外して考えます。

右側の抵抗は 2Ω+2Ω=4Ω。 4V の電源がつながっているので、流れる電流は
電圧降下は以下の通り:
つまり、右側の 2Ω と 2Ω の間の電位は 2V になります。

左側もまったく同じ構成なので、同じように 1A が流れ、 中点の電位は 2V になります。

左右の中点はどちらも 2V。 つまり、5Ω の両端は 2V – 2V = 0V。
電位差が 0V なので、5Ω には 電流が流れません。
電流が流れない抵抗は、回路的には「存在しない」のと同じです。 したがって、5Ω を無視してよいという結論になります。

5Ω を取り除いた形で考えると、
これが答えです。
今回の例では左右が完全に対称だったため、5Ω の両端の電位が一致し、電流が流れませんでした。
しかし、例えば片側の 2Ω を 3Ω に変更すると、左右の電位バランスが崩れます。
すると 5Ω の両端に電位差が生じ、電流が流れるようになります。
この場合は 5Ω を無視できず、別の計算方法が必要になります。
その解き方については、次回の記事で紹介します。
電気回路の対称性を利用すると、複雑に見える問題もシンプルに解けるようになります。