突然ですが、電気回路の問題です!
下の回路において、端子Aと端子Bの間の合成抵抗は何Ωになるでしょうか?

この回路には、同じ9Ωの抵抗が8個使われています。
すべて同じ抵抗値なので簡単に見えるかもしれません。しかし、右側にある導線の交差部分をどのように読むかによって、答えが大きく変わります。
この問題のポイントは、次の3つです。
- 交差する導線が接続されているか確認する
- 同じ接続点につながる抵抗を見つける
- 直列・並列にできる部分から順番に合成する
それでは、回路の接続関係を整理していきましょう。
右側の交差部分に注目しよう
最初に確認したいのが、端子Bから伸びている横向きの導線と、回路右側の縦向きの導線が交差している部分です。
2本の導線は図の上では交差しています。
しかし、交差部分には接続点を表す「●」がありません。
したがって、この2本の導線は電気的には接続されていません。
回路図では、一般的に次のように判断します。
- 交差部分に「●」がある:導線同士は接続されている
- 交差部分に「●」がない:導線同士は接続されていない
単に線が交差しているだけでは、同じ接続点とは限りません。
この違いが、今回の問題で最も重要なポイントです。
右下の9Ωにも電流が流れる
右下にある9Ωの抵抗を確認してみましょう。
この抵抗の左端は、中央の導線を通して端子Bにつながっています。
一方、右端は回路右側の縦線につながっています。
端子Bの横線と右側の縦線は交差していますが、接点の「●」がないため、別の接続点です。
つまり、右下の9Ωは同じ接続点の間に接続されているわけではありません。
抵抗の両端には電位差が生じるため、右下の9Ωにも電流が流れます。
したがって、この抵抗を無視することはできません。
接続点に名前を付けて整理しよう
複雑な回路では、接続点に名前を付けると構造を理解しやすくなります。
今回は、次のように考えます。
- 端子A
- 端子B
- 回路上部中央の分岐点を「接続点C」
- 回路右側の縦線を「接続点D」
接続点Dは、端子Bの横線と交差しています。
しかし、交差部分に「●」がないため、接続点Dと端子Bは同じ接続点ではありません。
左下の2つの9Ωを合成しよう
まず、端子Aから端子Bへ向かう下側左の経路を確認します。
下側左にある2つの9Ωには、途中に分岐がありません。
したがって、この2つは直列接続です。
直列抵抗は、そのまま足すことができます。
9Ω+9Ω=18Ω
これにより、端子Aと端子Bの間には、18Ωの経路が一つあることが分かります。
上側左の2つの9Ωも直列
次に、端子Aから接続点Cまでの経路を確認します。
上側左にある2つの9Ωも、途中に分岐がありません。
したがって、この2つも直列接続です。
9Ω+9Ω=18Ω
端子Aから接続点Cまでの合成抵抗は18Ωです。
上側右の2つの9Ωを合成しよう
接続点Cから接続点Dへ向かう上側の経路には、9Ωが2つあります。
この2つの9Ωの間にも、ほかの分岐はありません。
したがって、この2つは直列接続です。
9Ω+9Ω=18Ω
接続点Cから接続点Dまでの抵抗は18Ωになります。
右側の経路をまとめよう
接続点Dから端子Bへ向かう経路には、右下の9Ωがあります。
接続点Cから接続点Dまでの18Ωと、接続点Dから端子Bまでの9Ωは直列接続です。
したがって、右側を回って接続点Cから端子Bへ向かう経路は、
18Ω+9Ω=27Ω
となります。
中央の9Ωと右側の27Ωは並列
接続点Cと端子Bの間には、2つの経路があります。
1つ目は、中央の縦向きの9Ωを通る経路です。
2つ目は、接続点Dを経由する27Ωの経路です。
どちらも接続点Cから始まり、端子Bへ到着します。
両端が同じ2つの接続点につながっているため、9Ωと27Ωは並列接続です。
9Ωと27Ωを並列合成する
2つの抵抗の並列合成は、次の式で求められます。
合成抵抗=(抵抗1×抵抗2)÷(抵抗1+抵抗2)
今回の抵抗値を当てはめます。
(9Ω×27Ω)÷(9Ω+27Ω)
=243÷36
=6.75Ω
分数では、
6.75Ω=27/4 Ω
です。
したがって、接続点Cから端子Bまでの合成抵抗は6.75Ωになります。
上側全体の抵抗を求めよう
端子Aから接続点Cまでの抵抗は18Ωでした。
接続点Cから端子Bまでの合成抵抗は6.75Ωです。
この2つは直列接続です。
したがって、端子Aから上側を通って端子Bへ向かう経路は、
18Ω+6.75Ω=24.75Ω
となります。
分数では、
24.75Ω=99/4 Ω
です。
最後に2つの経路を並列合成する
ここまで整理すると、端子Aと端子Bの間には、次の2つの経路があります。
- 下側左を通る18Ωの経路
- 上側から中央を通る24.75Ωの経路
どちらも端子Aと端子Bの間に接続されているため、最後は18Ωと24.75Ωの並列接続になります。
A−B間の合成抵抗をRとすると、
R=(18Ω×24.75Ω)÷(18Ω+24.75Ω)
分子を計算すると、
18×24.75=445.5
分母を計算すると、
18+24.75=42.75
したがって、
R=445.5÷42.75
R=198/19 Ω
小数で表すと、
R≒10.42Ω
となります。
答え
端子Aと端子Bの間の合成抵抗は、
R=198/19 Ω
小数で表す場合は、
R≒10.42Ω
です。
計算の流れをまとめよう
今回の回路は、次の順番で整理できます。
1.下側左の2つの9Ωを直列合成する
9Ω+9Ω=18Ω
2.上側左の2つの9Ωを直列合成する
9Ω+9Ω=18Ω
3.上側右の2つの9Ωを直列合成する
9Ω+9Ω=18Ω
4.上側右の18Ωと右下の9Ωを直列合成する
18Ω+9Ω=27Ω
5.中央の9Ωと右側の27Ωを並列合成する
9Ω ∥ 27Ω=6.75Ω
6.上側左の18Ωと6.75Ωを直列合成する
18Ω+6.75Ω=24.75Ω
7.下側の18Ωと上側の24.75Ωを並列合成する
18Ω ∥ 24.75Ω=198/19 Ω
したがって、
R=198/19 Ω≒10.42Ω
となります。
ここで使っている「∥」は、2つの抵抗が並列接続されていることを表します。
間違えやすい考え方
この問題で注意したいポイントを確認しておきましょう。
右側の交差部分を接続点だと考えてしまう
最も間違えやすいのが、端子Bの横線と右側の縦線の交差部分です。
線は交差していますが、「●」がありません。
そのため、2本の導線は接続されていません。
ここを接続されていると考えると、右下の9Ωが短絡されているように見えてしまいます。
しかし、実際には右下の9Ωにも電流が流れます。
右下の9Ωを無視してしまう
右下の9Ωの左端は端子Bにつながっていますが、右端は接続点Dにつながっています。
端子Bと接続点Dは別の接続点です。
両端には電位差が生じるため、この9Ωを計算から取り除くことはできません。
上側の4つの9Ωをすべて直列と考える
上側には4つの9Ωが横に並んでいます。
しかし、中央の接続点Cから縦向きの9Ωが端子Bへつながっています。
接続点Cで電流が分岐するため、上側の4つすべてをまとめて直列にすることはできません。
7個の9Ωをすべて足してしまう
回路に9Ωが7個あるからといって、
9Ω×7=63Ω
とすることはできません。
すべての抵抗を足せるのは、すべてに同じ電流が流れる直列回路の場合だけです。
今回の回路には複数の分岐があります。
交差と接続を見分けよう
回路図を正しく読むには、導線の交差と接続を区別する必要があります。
接点の「●」がある場合
導線同士は電気的に接続されています。
接点から電流が分岐したり、複数の経路が合流したりします。
接点の「●」がない場合
線は図の上で交差しているだけです。
導線同士は電気的に接続されていません。
今回の問題では、この違いを見落とすと回路の構造そのものが変わってしまいます。
ポイントは接続点と電位差
複雑な回路の合成抵抗を求めるときは、回路の形だけを見て判断しないことが大切です。
まず、次の点を確認します。
- 導線の交差部分に「●」があるか
- それぞれの抵抗の両端がどこにつながっているか
- 途中に分岐のない直列部分はどこか
- 両端が同じ接続点につながる並列部分はどこか
接続関係を整理してから回路を書き直すと、複雑に見える回路も段階的に簡単にできます。
まとめ
今回の回路におけるA−B間の合成抵抗は、
R=198/19 Ω
小数では、
R≒10.42Ω
です。
計算以上に重要なのが、右側にある導線の交差部分です。
線が交差していても、接点を示す「●」がなければ、導線同士は接続されていません。
合成抵抗の問題では、抵抗値を計算する前に、回路図の接続点を正しく読み取ることが正解への第一歩です。

