突然ですが、電気回路の問題です!
下の回路において、12Ωの抵抗に流れる電流は何アンペアになるでしょうか?

電源電圧は90V。回路には次の抵抗が接続されています。
- 9Ωの抵抗が2つ
- 4Ωの抵抗が1つ
- 12Ωの抵抗が1つ
抵抗がいくつもあるため、一見すると複雑な直並列回路に見えます。
しかし、この問題で本当に注目すべきなのは、抵抗の数ではありません。
導線でつながっている場所の電位が同じになるという点です。
まずは回路の接続を確認しよう
回路の上側には、左から順番に9Ω-9Ωー4Ωの抵抗があります。
また、下側には12Ωの抵抗が配置されています。
ここで、左側から中央まで伸びている導線に注目してください。
この導線は、2つの9Ω抵抗の両端を直接つないでいます。
つまり、9Ωの抵抗が接続されている経路とは別に、抵抗がほぼ0Ωの導線による経路が存在することになります。
9Ωの抵抗には電流が流れる?
理想的な導線の抵抗を0Ωとすると、導線で直接接続された場所の電位は同じです。
そのため、2つの9Ω抵抗をまとめた部分の両端には電位差がありません。
抵抗に流れる電流は、オームの法則から次のように求められます。
2つの9Ω抵抗には電位差がないため、
となります。
したがって、2つの9Ω抵抗には電流が流れません。
このように、抵抗の両端が導線で直接つながれている状態を「短絡」または「ショート」と呼びます。
見た目では回路の中に存在している9Ω抵抗ですが、今回の計算では無視できます。
残った4Ωと12Ωの接続を考えよう
9Ωの抵抗を取り除いて回路を書き直すと、構成はかなり単純になります。
残るのは、
- 4Ωの抵抗
- 12Ωの抵抗
の2つです。
この2つの抵抗は、どちらも左端が同じ接続点につながり、右端も同じ接続点につながっています。
つまり、4Ωと12Ωは並列接続です。
さらに、この並列回路全体には、電源の90Vがそのまま加わっています。
並列回路では、それぞれの抵抗に加わる電圧は同じです。
したがって、12Ωの抵抗に加わる電圧も90Vです。
12Ωに流れる電流を求めよう
求めたいのは、12Ωの抵抗に流れる電流です。
オームの法則を使います。
電圧は90V、抵抗は12Ωなので、
したがって、答えは次のようになります。
図に示された矢印の向きを正方向とすれば、電流は矢印と同じ向きに7.5A流れます。
合成抵抗からも確認してみよう
回路全体の電流も求めて、計算結果を確認してみましょう。
4Ωと12Ωの合成抵抗をRとすると、
通分すると、
したがって、
回路全体に流れる電流は、
です。
次に、それぞれの抵抗に流れる電流を求めます。
4Ωの抵抗には、
12Ωの抵抗には、
が流れます。
2つの電流を合計すると、30Aとなり、回路全体の電流と一致します。
これで、12Ωに流れる電流が7.5Aであることを確認できました。
間違えやすい考え方
この問題では、次のような考え方をすると間違えやすくなります。
抵抗を左から順番に足してしまう
回路図を見たまま、
のように、すべての抵抗を足すことはできません。
抵抗が直列か並列かは、図の上下や左右ではなく、どの接続点につながっているかによって決まります。
9Ωの抵抗にも少しは電流が流れると考える
電流は必ずしも、すべての抵抗を通るわけではありません。
今回の9Ω抵抗のように、両端が導線で直接つながれている場合、抵抗の両端には電位差が生じません。
電位差が0Vなら、抵抗に流れる電流も0Aです。
4Ωと12Ωを直列だと考える
4Ωと12Ωは横方向に並んでいるようにも見えますが、それぞれの両端が同じ2つの接続点につながっています。
したがって、この2つは直列ではなく並列です。
ポイントは「同じ電位の場所」を見つけること
複雑に見える回路を解くときは、抵抗の並び方だけを見るのではなく、導線をたどって接続点を整理することが大切です。
理想的な導線で直接つながっている場所は、途中で曲がっていても、遠回りしていても、すべて同じ電位です。
今回の回路では、
- 導線によって2つの9Ω抵抗が短絡されている
- 9Ω抵抗の両端の電位差は0V
- したがって、9Ω抵抗には電流が流れない
- 残った4Ωと12Ωは並列接続
- 12Ωには電源電圧の90Vが加わる
- \(90÷12=7.5\) より、電流は7.5A
という順番で考えることができます。
まとめ
今回の回路で、12Ωの抵抗に流れる電流は、7.5Aです。
回路図が複雑に見えるときほど、まずは次の点を確認してみてください。
- 導線で直接つながっている場所はどこか
- 抵抗の両端に電位差があるか
- それぞれの抵抗が、どの接続点の間にあるか
- 本当に直列なのか、それとも並列なのか
- 導線によって短絡されている抵抗はないか
回路問題では、抵抗の位置や図の形に惑わされず、接続点と電位差に注目することが正解への近道です。

