組み込み開発を、実機で体系的に学びませんか?

クミタテでは、ESP32・電子回路・IoT開発を学べる オンライン教材を公開しています。無料会員向け教材も利用できます。

無料会員登録して教材を見る Googleアカウントなら簡単に登録できます

【電気回路の問題】複雑な分岐回路の合成抵抗は何Ω?直列・並列を使った解き方

突然ですが、電気回路の問題です。

複数の抵抗と分岐で構成された次の回路について、A–B間の合成抵抗は何Ωになるでしょうか?

抵抗の数が多く、分岐も何段かあるため、一見すると難しそうに見えます。

しかし、直列接続と並列接続になっている部分を順番にまとめれば、簡単な回路へ変換できます。

先に答えをお伝えすると、A–B間の合成抵抗は、

10Ω

です。

なぜ10Ωになるのか、順番に解説します。

「小さい抵抗だけに電流が流れる」は間違い

最初に、よくある考え方を紹介します。

今回の回路には、4Ωと8Ω、6Ωと10Ωなど、抵抗値の異なる経路が存在します。

そこで、

電流は抵抗値の小さい方へ流れる

と考え、小さい抵抗だけを通る経路を選ぶとします。

この考え方では、次のような経路をたどることになります。

  • 最初に6Ωを通る
  • 4Ωと8Ωの分岐では4Ωを選ぶ
  • 次の分岐では6Ωを選ぶ
  • 最後の4Ωと8Ωの分岐では4Ωを選ぶ

すると、6+4+6+4=20

となり、合成抵抗は20Ωだと考えてしまいます。

しかし、これは正しくありません。

並列回路では両方の経路に電流が流れる

抵抗値が異なる2つの経路が並列になっている場合、電流は小さい抵抗だけを流れるわけではありません。

両方の経路に電流が流れます。

ただし、抵抗値の小さい経路には多くの電流が流れ、抵抗値の大きい経路には少ない電流が流れます。

したがって、特定の経路だけを選び、その抵抗値を足し合わせても、回路全体の合成抵抗を求めることはできません。

複雑な回路は端から整理する

今回のように抵抗と分岐が多い回路では、全体を一度に理解しようとすると混乱しやすくなります。

まずは、明らかに直列または並列になっている部分を探しましょう。

ポイントは、

まとめられる部分から、1つずつ抵抗をまとめる

ことです。

10Ωと2Ωの直列接続をまとめる

最初に、回路の右側にある10Ωと2Ωの抵抗に注目します。

【10Ωと2Ωを強調した図を挿入】

この2つの抵抗の接続点には、ほかの分岐がありません。

そのため、10Ωと2Ωは直列接続です。

直列接続の合成抵抗は、抵抗値を足し合わせて求めます。\[ 10+2=12\Omega \]

したがって、10Ωと2Ωを1つの12Ω抵抗へ置き換えることができます。

【10Ωと2Ωを12Ωへ変換した図を挿入】

同じ電位間につながる抵抗を探す

次に、配線でつながっている点を電位ごとに色分けします。

【電位を色分けした回路図を挿入】

理想的な配線では、途中に抵抗などの部品がなければ、配線で直接つながっている点は同じ電位になります。

各抵抗の図上の向きではなく、

  • 抵抗の一端がどの電位につながっているか
  • もう一端がどの電位につながっているか

を確認します。

同じ2つの電位間につながる抵抗は、並列接続です。

6Ωと12Ωを並列の4Ωへ変換する

右側にある6Ωと、先ほど計算した12Ωに注目します。

この2つの抵抗は、どちらも同じ2点間につながっています。

したがって、6Ωと12Ωは並列接続です。

並列接続の合成抵抗は、次の式で計算します。

1/R=1/6+1/12

通分すると、

1/R=2/12+1/12=3/12=1/4

したがって、R=4Ω

です。

6Ωと12Ωの並列接続を、1つの4Ω抵抗へ置き換えます。

【6Ωと12Ωを4Ωへ変換した図を挿入】

4Ωと8Ωの直列接続をまとめる

回路を書き換えると、先ほど求めた4Ωと8Ωが直列に接続されていることが分かります。

直列接続なので、抵抗値を足し合わせます。4+8=12Ω

この部分を、再び1つの12Ω抵抗へ置き換えます。

【4Ωと8Ωを12Ωへ変換した図を挿入】

再び6Ωと12Ωを並列にする

変換した回路を見ると、6Ωと12Ωが同じ2点間につながっています。

この2つも並列接続です。

先ほどと同じ計算になります。

1/R=1/6+1/12=1/4

したがって、合成抵抗は4Ωです。

【6Ωと12Ωを4Ωへ変換した図を挿入】

4Ωと4Ωを直列の8Ωへ変換する

次に、計算によって求めた4Ωと、もともと回路にあった4Ωが直列になります。\[ 4+4=8\Omega \]

この2つを、1つの8Ω抵抗へ置き換えます。

【4Ωと4Ωを8Ωへ変換した図を挿入】

8Ωと8Ωの並列接続を計算する

変換後の回路には、同じ2点間につながる8Ωの抵抗が2つあります。

同じ抵抗値が2本並列に接続されている場合、合成抵抗は元の抵抗値の半分になります。

式を使って計算すると、次のようになります。

R=1/8+1/8=1/4

したがって、R=4Ω

です。

【8Ωと8Ωを4Ωへ変換した図を挿入】

同じ計算をもう一度繰り返す

ここまで回路を整理すると、先ほど求めた4Ωと、もともとの4Ωが直列接続になります。

4+4=8Ω

さらに、その8Ωと別の8Ωが同じ2点間につながっているため、並列接続になります。

1/R=1/8+1/8=1/4

したがって、この部分も4Ωへ変換できます。

【最後の8Ω同士を4Ωへ変換した図を挿入】

最後に6Ωと4Ωを足す

回路を段階的に整理した結果、最後に残るのは6Ωと4Ωの直列接続です。

直列接続なので、抵抗値を足し合わせます。6+4=10Ω

したがって、A–B間の合成抵抗は、

10Ω

となります。

複雑な合成抵抗を求めるコツ

今回のような複雑な回路は、次の手順で考えると解きやすくなります。

  1. 明らかに直列になっている抵抗を探す
  2. 直列抵抗を1つにまとめる
  3. 配線でつながった点を電位ごとに色分けする
  4. 同じ2点間につながる抵抗を探す
  5. 並列抵抗を1つにまとめる
  6. 回路図を書き直す
  7. 直列と並列の計算を繰り返す

一度にすべての抵抗を計算する必要はありません。

1か所を計算するたびに回路を書き直すと、次にまとめられる部分が見つけやすくなります。

直列接続と並列接続の見分け方

直列接続

2つの抵抗の間に分岐がなく、同じ電流が続けて流れる接続です。

合成抵抗は足し算で求めます。\[ R=R_1+R_2 \]

並列接続

複数の抵抗が同じ2点間につながっている接続です。

合成抵抗は次の式で求めます。\[ \frac{1}{R} = \frac{1}{R_1} + \frac{1}{R_2} \]

回路図上で抵抗が横並びになっているか、縦並びになっているかは関係ありません。

抵抗の両端が同じ点につながっているかどうかで判断します。

直列・並列接続の基礎は、抵抗の直列接続と並列接続の解説から内部リンクすると、初心者にも理解しやすくなります。

よくある質問

抵抗値の小さい経路だけに電流が流れるのですか?

いいえ。並列回路では、基本的にすべての経路に電流が流れます。

抵抗値の小さい経路には多く、抵抗値の大きい経路には少ない電流が流れます。

並列接続は横並びの抵抗だけですか?

回路図の向きや配置は関係ありません。

2つの抵抗の両端が同じ2点につながっていれば、並列接続です。

複雑な回路を一度に計算する方法はありますか?

キルヒホッフの法則などを使って解析することもできます。

ただし、今回の回路は直列・並列の変換を順番に繰り返すことで解けるため、まずは簡単な部分からまとめる方法がおすすめです。

まとめ

今回のポイントをまとめます。

  • 電流は抵抗値の小さい経路だけを流れるわけではない
  • 並列回路では複数の経路に電流が分かれて流れる
  • 直列接続は抵抗値を足し合わせる
  • 同じ2点間につながる抵抗は並列接続
  • 同じ電位の点を色分けすると接続を判断しやすい
  • 複雑な回路は、端から少しずつ簡単にする
  • A–B間の合成抵抗は10Ω

一見複雑な回路でも、直列と並列に分けて1つずつ整理すれば、基本的な計算だけで答えを求められます。

動画では回路が変換されていく様子を図で確認できます。ぜひ動画と一緒に挑戦してみてください。

【今回のYouTube動画を埋め込む】

前回の合成抵抗問題はこちらです。

前回の合成抵抗問題に挑戦する

KUMITATE

ESP32を、読むだけでなく
実際に動かして学びませんか?

クミタテは、組み込み開発を実機とオンライン教材で学べる 学習プラットフォームです。ESP32、電子回路、基板設計などの 教材を自分のペースで学習できます。

  • 無料で閲覧できる学習コンテンツあり
  • 実際に手を動かせるサンプルを掲載
  • Googleアカウントで登録可能
クミタテに無料登録する
スポンサーリンク