組み込み開発を、実機で体系的に学びませんか?
クミタテでは、ESP32・電子回路・IoT開発を学べる オンライン教材を公開しています。無料会員向け教材も利用できます。
無料会員登録して教材を見る Googleアカウントなら簡単に登録できます

次の回路における、A–B間の合成抵抗は何Ωになるでしょうか?
6Ωと3Ωの抵抗が接続されていますが、回路内にはショートしている配線が複数あります。
見た目は複雑ですが、回路の「電位」に注目すると、意外と簡単に解くことができます。
先に答えをお伝えすると、A–B間の合成抵抗は、
2Ω
です。
なぜ2Ωになるのか、順番に考えてみましょう。
まず思いつきやすいのが、電流の流れを追いかける方法です。
一般に、抵抗のない配線と抵抗のある経路が並んでいる場合、電流は抵抗のない配線、つまりショートしている経路を流れます。
そこで、ショートしている部分を優先して電流の流れを描いてみます。
しかし、この方法だけでは、複数ある6Ω抵抗がどのように接続されているのか分かりにくくなります。
回路図の見た目に引っ張られると、直列なのか並列なのかを判断するのが難しいためです。
このような回路では、電流を追いかけるよりも、配線上の「電位が同じ点」を整理する方が簡単です。
理想的な配線では、配線自体の抵抗は0Ωとして扱います。
そのため、抵抗や電源などの部品を通らずに配線だけでつながっている点は、すべて同じ電位になります。
今回は、A側につながる電位を赤、B側につながる電位を青として、回路を色分けしてみます。
このように色分けすると、回路の形ではなく、「各抵抗の両端がどの電位につながっているか」を確認できます。
まず、回路内の3Ω抵抗に注目してください。
この3Ω抵抗は、両端がどちらも青色の配線につながっています。
つまり、抵抗の両端は同じ電位です。
抵抗の両端にかかる電圧をV、流れる電流をI、抵抗値をR とすると、オームの法則から、
I = V / R = 0 / 3 = 0
となります。
今回は両端の電位が同じなので、抵抗にかかる電圧は0Vです。
したがって、この3Ω抵抗には電流が流れません。
そのため、合成抵抗を考えるうえでは、この3Ω抵抗を取り除いて考えることができます。
ここで大切なのは、「3Ωという抵抗値が小さいから無視できる」のではないという点です。
抵抗の両端が同じ電位で、電位差が0Vだから無視できます。
続いて、残った3本の6Ω抵抗に注目します。
それぞれの抵抗について、両端の接続を確認すると、
につながっています。
3本とも同じ2点間、つまりA–B間に接続されているため、これらは並列接続です。
見やすい回路図に書き換えると、次のようになります。
元の回路図は複雑に見えますが、電気的には6Ωの抵抗を3本並列に接続した回路と同じです。
並列接続された抵抗の合成抵抗は、次の式で求められます。
1/R = 1/R1 + 1/R2 + 1/R3
今回は6Ωの抵抗が3本なので、
1/R = 1/6 + 1/6 + 1/6 = 3/6 = 1/2
したがって、R=2。
よって、A–B間の合成抵抗は、
2Ω
です。
今回のようにショートを含む複雑な回路では、次の順番で考えると整理しやすくなります。
回路図の見た目ではなく、「どの点とどの点が電気的につながっているか」に注目することが重要です。
抵抗と0Ωの配線が完全に並列になっている場合、理想回路では電流は0Ωの配線側を流れ、抵抗側には流れません。
ただし今回の回路では、単に「近くにショートがあるから抵抗を無視する」と判断するのではなく、抵抗の両端の電位を確認する必要があります。
理想回路では無視できます。
抵抗値が3Ωでも100Ωでも、両端の電位差が0Vなら、オームの法則から流れる電流は0Aです。
今回のポイントをまとめます。
複雑に見える回路でも、同じ電位の点を色分けすると、接続関係を簡単に整理できます。
電流の流れを追って迷ったときは、ぜひ「抵抗の両端は何色になっているか」という考え方を試してみてください。
動画では、回路図を使って視覚的に解説しています。
前回の合成抵抗問題も、あわせて挑戦してみてください。