今回は、抵抗の直列接続と並列接続を“電気の流れのイメージ”で理解するための解説です。
抵抗を2つ使った場合を例に、電気の通り道がどう変わるのかを視覚的に捉えていきます。
直列接続と並列接続の基本イメージ

まずは2つの抵抗を使ったときの配置イメージです。
- 直列接続:抵抗が一直線に並ぶ
- 並列接続:途中で分岐して、それぞれに抵抗が配置される
この2つの違いが、電気の流れ方に大きく影響します。
直列接続のイメージ

抵抗が“連続して道を細くする”
左の図のように、電池と抵抗2つを直列につないだ回路を考えます。
1つ目の抵抗で電気くんの通る道が少し細くなり、 さらに2つ目の抵抗で道がもっと細くなります。
つまり、電気くんは一番細い道のスピードに合わせて全体を進むイメージです。
直列接続での電圧の分かれ方(分圧)

抵抗くんと抵抗ちゃんの“パワー”(抵抗値)を使って電圧の分かれ方を考えてみます。
■ パワー1:1対1の直列
抵抗くん=1 抵抗ちゃん=1
全体の高さ(電圧)が一定だとすると、 1:1 の割合で電圧が分かれます。
例:電池が 10V の場合 → 抵抗くんと抵抗ちゃんの間は 5V
■ パワー1とパワー9:1対9の直列
抵抗くん=1 抵抗ちゃん=9
1:9 の割合で電圧が分かれるため、 電池が 10V なら、抵抗くんと抵抗ちゃんの間は 9V
このように、複数の抵抗で電圧を分けることを 分圧 と呼びます。
実際の現場でも頻繁に使われる重要なテクニックです。
並列接続のイメージ

電気の通り道が“増える”
並列接続では、抵抗くんと抵抗ちゃんが分岐して配置されます。
- パワー1とパワー1なら、同じ太さの道が2本
- パワー1とパワー9なら、太い道と細い道が1本ずつ
それぞれの抵抗は独立して電気を流すことができます。
並列接続のメリット

発熱を抑えながら電流を増やせる
例えば、パワー1の抵抗1つと、 パワー2の抵抗くん+抵抗ちゃん(並列)の回路は、同じ電気の流れ方になります。
理由はこうです:
- パワー2の抵抗は、パワー1の抵抗の“半分の太さ”の道を作る
- その細い道が2本あるので、全体としてはパワー1と同じ流れになる
ここで重要なのが 発熱 です。
抵抗は電気くんと擦れることで熱を持ちます。
電気くんのスピードが速いほど発熱が大きくなり、許容を超えると壊れます。
しかし並列にすると、
- 1本あたりの電気くんのスピードが遅くなる
- その分、発熱が小さくなる
- 2本あるので全体の電流は確保できる
というメリットがあります。
実際の設計で使うことは多くありませんが、知っておくと便利な考え方です。
まとめ
- 直列は“道が連続して細くなる”イメージ
- 並列は“道が増える”イメージ
- 直列では電圧が抵抗値の比率で分かれる(分圧)
- 並列では発熱を抑えながら電流を増やせる
- 抵抗の接続方法は電気の流れ方を大きく変える
以上で今回の解説は終わります。ありがとうございました。
