突然ですが、皆さんに問題です。
次の2つの回路のうち、どちらの配線だとLEDが壊れるでしょうか?

- 電池 → LED → 抵抗
- 電池 → 抵抗 → LED
この違いは、抵抗がLEDのプラス側にあるか、マイナス側にあるかだけです。
さて、どちらが危険だと思いますか?
小学6年生の生徒が言った「LEDが壊れる理由」

プログラミング教室で、小学6年生の男の子からこんな質問を受けました。
「電池 → LED → 抵抗 の順につなぐとLEDは壊れるんじゃないの?」
彼の考え方はこうです。
- 電池からLEDまでは“太い道”なので電気くんが全力疾走する
- その結果、大電流が流れてLEDが壊れる
- 抵抗はその後にあるので、電流が小さくなるのはLEDを通った後
- だからLEDが壊れる
イメージとしては、 「太い道 → LED → 細い道(抵抗)」 という感じですね。
一方で、抵抗を先に入れれば、
- 最初から“細い道”になる
- LEDに流れる電流も小さくなる
- だから安全
という論理です。
実際の答え:どちらでもLEDは壊れない
結論から言うと、
どちらの配線でもLEDは壊れません。
理由は、これまでの説明で「電気くんは1人」というイメージで話していましたが、実際にはそうではないからです。
本当の電気の流れ:電気くんは“ギッチギチに詰まっている”

実際の電気は、
- 配線の中
- 部品の中
に 電気くん(電子)がギッチギチに詰まった状態 で存在しています。
そして電池は、そのギッチギチの電気くんを一斉に押し出す装置です。
つまり、
- 抵抗がLEDの前にあっても
- LEDの後ろにあっても
電気くん全体は 最も細い道(=抵抗)に合わせたスピード でしか動けません。

そのため、
抵抗の位置が前でも後ろでも、LEDに流れる電流は同じ
ということになります。
とはいえ、実務的には「抵抗 → LED」が安全
どちらでも壊れないとはいえ、実務的には
電池 → 抵抗 → LED
の順でつける方が安全です。
理由は、
- 回路を組むときのミスを減らせる
- LEDの極性を間違えたときのリスクが小さい
- 教育現場では“抵抗は電流制限のため最初に入れる”と覚えた方が混乱しない
といった点があります。
まとめ
- 抵抗がLEDの前でも後ろでも、LEDは壊れない
- 電気くんはギッチギチに詰まっており、全体が細い道(抵抗)に合わせて動く
- 抵抗の位置でLEDに流れる電流は変わらない
- ただし実務的には「抵抗 → LED」の順が安全
